フィラリア・ノミ・マダニ予防
犬 猫動物病院は二俣川駅の二俣川動物病院 フィラリア・ノミ・マダニ予防
フィラリアとは犬の心臓に寄生する白いそうめん状の虫です。この虫は犬から犬へ直接うつるのではなく、蚊が媒介しています。
春になり気温が暖かくなってくると、ノミやマダニなどの外部寄生虫が問題になってきます。
これらの寄生虫は、皮膚病だけでなく恐ろしい病気をうつす原因にもなりますので、
しっかり予防していくことが大切です。
ファラリア症とは?
フィラリアとは犬の心臓に寄生する白いそうめん状の虫です。この虫は犬から犬へ直接移るのではなく、蚊が媒介しています。
フィラリアが感染している犬の血液中には、フィラリアの成虫が産んだ幼虫(ミクロフィラリア)がたくさんいて、吸血に よって蚊の体内に入ります。その蚊が別のワンちゃんを吸血するとき、フィラリアの幼虫が犬の皮膚から体内に侵入します。
その幼虫はしばらく皮膚の下で成長したあと血管に侵入し、最終的に心臓に移動して成虫なります。そして全身にわたって 深刻な症状(フィラリア症)を引き起こします。
フィラリアに感染すると心臓の動きが衰えるほか、肺や肝臓、腎臓なども悪くなり、次第に元気がなくなる、食欲がなくなる、 散歩に行きたがらない、運動を嫌がる、疲れやすい、咳をする、呼吸が荒くなるなどの症状がみられるようになります。
さらに進行すると、腹水が貯まってお腹が腫れる、血を吐く、失神するなどの症状を呈し、死に至る確率が高いとても恐ろしい 病気です。
フィラリアのライフサイクルについて
1
フィラリア感染犬の血液中には、1期幼虫(ミクロフィラリア、体長0.1~0.3mm)といって、心臓に寄生しているフィラリア成虫の雌が産んだ幼虫がたくさんいます。
その幼虫は吸血によって蚊の体内に入ります。
4
犬の体内に侵入した3期幼虫は、皮膚の下(脂肪、筋肉など)を移動しながら4期幼虫→5期幼虫まで成長します。
2
1期幼虫は蚊の体内で2期幼虫(体長0.3~0.6mm)→3期幼虫(体長1mm)まで成長します。
この3期幼虫は感染幼虫とも呼ばれ、別のワンちゃんへの感染源になります。
5
感染して3~4ヵ月後には、5期幼虫は体長3~11cmとなり、静脈内へ侵入しはじめます。その後血液の流れに乗って右心室や肺動脈へ達し、成虫(体長♂12~18cm、♀25~30cm)となります。(ちなみにフィラリア成虫の寿命はおよそ5~6年です。)
3
3期幼虫は蚊の吸血時に犬の皮膚に注入され、蚊の吸血した穴などから犬の体内に侵入します。
6
雌のフィラリア成虫は1期幼虫を産み出します。
※1~6を繰り返します。
ファラリア症の予防について
それでは、フィラリア症にならないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
それには、毎年フィラリア症の予防薬を投与することが必要になります。
フィラリア症の予防は、蚊に刺されないようにするものではなく、予防薬によって 犬の体内に侵入したフィラリアの幼虫を、心臓に寄生してしまう前に駆除する方法を とっています。
もちろん、全く蚊に刺されないようにできれば、それが理想的な予防法なのですが、 残念ながら現時点ではその様な方法はありません。
ノミについて
春になり気温が暖かくなってくると、ノミやマダニなどの外部寄生虫が問題になってきます。
そこで、ノミとマダニについて少しご説明したいと思います。
ノミとは?
ノミがどのように動物に寄生するかご存じですか?ほとんどの場合、動物が環境中にいるさなぎの近くを通ったときに、そのサナギが震動や熱、二酸化炭素などを感知し、羽化したノミがその動物に寄生するのです。時々、環境中にノミの成虫が潜んでいると思われている方がいますが、そのような事はほとんどありません。
動物に寄生したノミはすぐに吸血をはじめ、しばらくすると雌のノミは1日に20~50個の卵を産みはじめます。
その卵は動物の体から環境中へ落下し、適度な環境下では2~3週間で成虫へと成長します。
ノミが寄生することによる病害は、
-
アレルギー性皮膚炎や貧血など(直接的な害)
-
瓜実条虫症、猫ひっかき病、発疹チフス、野兎病などの病気を媒介する(間接的な害)
-
人もノミに刺さされ、痒みをともなう赤い発疹が出ることがあります。
ノミ対策
-
動物に寄生しないよう、あらかじめ予防的にノミ成虫駆除剤をつけておく。
あるいはすでに寄生している場合も、成虫駆除剤により駆除できる。 -
環境中のノミの卵が成長し、再寄生することがないように、ノミの卵や幼虫の成長を抑制する
昆虫成長抑制剤を使用する。 -
環境中のノミの卵、幼虫、サナギを、掃除などにより物理的に除去する。
マダニについて
吸血性のダニで、家ダニとは全く種類は異なります。さらにフタトゲチマダニ、キチマダニなど多くの種類があります。
マダニはどのような気候や場所にも適応でき、日本全国どこにでも生息しており、1年中活動しています。
マダニが寄生することによる病害は、
-
アレルギー性皮膚炎、貧血など(直接的な害)
-
バベシア症、ライム病、Q熱、エールリッヒアなどの病気を媒介する(間接的な害)
マダニ対策
-
動物に寄生しないよう、あらかじめ予防的にマダニ駆除剤をつけておく。
あるいはすでに寄生している場合も、駆除剤により駆除できる。 -
寄生しやすい場所(野山・草むら・公園など)に、なるべく動物が入らないようにする、そして散歩後には、体にマダニが ついていないかチェックし、付いていたらなるべく早く取り除く。
※ただし、無理に手で引っ張ってはいけません。無理に取ろうとすると口下片(くちばし)が皮膚に残り、皮膚炎が続いてしまいます。
ノミ・マダニの総合的な予防
以上ご説明いたしましたが、現在はノミとマダニを一度に両方とも駆除でき、なおかつノミの卵や幼虫の成長を抑制できる優れた製剤がありますので、それを予防的、定期的に使用するのが最も良いでしょう。
シャンプーしてもしっかりと効果は持続しますし、なおかつ非常に安全性が高く、長期使用しても安心です。
春から秋にかけてが最も活動的なシーズンですが、室内飼育の場合は、この時期だけでなく1年を通した予防も検討しなければなりません。